秘密 言葉 夜
私にとって秘密の場所がある
都会から外れた人の住んでいないような古びた団地を越えると
街頭も無いような田舎道にでる
その道を奥に進むと人を寄せ付けないためだけに設置された柵の向こうに
大きな池がある
池の裏側は凛々と静けさだけを奏でる森の手前
そこが私にとって秘密の場所
なぜ秘密と呼ぶのかは その場所が秘密であるから
そのほかにも理由があって
一緒に来た人間の隠された秘密を暴くことができるから
だから私にとって秘密の場所
街頭の光も町の騒音も届かない
月の光と 森に響く呻く様な音と 私と人間の息遣いだけ
月の光だけで照らされるそこは 相手の顔も認識できないほど暗く
響く音だけでしか相手を判断できない
顔が見えないから表情が分からないけれど
その分
声に集中できて
表情から読み取るよりも多くの事を相手から得られる
私は友人をマリアに乗せて連れて行った
私の友人を私の親友にしてみたかったから
彼女は秘密の場所にたどり着いて 意外そうに
とても良い場所ね
一言だけ漏らした
それは私にとって良い言葉なのかは今はまだ分からなかった
その友人は中学校の入学式の日からの付き合いで24歳になった今でも
ずっと近くもなく遠くもない関係を築いている人だった
私は彼女に成長して欲しかったのだ
私とこの場所を通して
彼女の心の奥を見てみたかった
たくさんの事を話した
去年行った海のこと お互いの彼氏のこと これからのこと
共通の友人の悪い所と良い所 いままでに死んでしまいたかったこと
父親の性格や 実はお互いの彼氏が共通の友人であったこと
昔に馬鹿な事をやらかしてしまった事
たくさんの事を
たくさん
たくさん
たくさん
話した
ここで書いていると文字数が足りなくなってしまうのも怖いし
今日の朝が起きれなくなってしまうのが怖いので
今は書ききれないって言葉を使わせてもらおうかしら
最終的に私の友人であった人は
これからも ずっと一緒にいたらいいね
という懐かしいような感覚に襲われるような言葉と共に
私の友人は 私の親友になった
私はとても喜んだ 心の中で
彼女もとても喜んでいた 言葉の中で
最悪 死んでもらうことも良かったけれど
結果的に やっぱり私にとってその場所は
秘密の場所
で間違いは無かった
たった今築いたこの親友の関係を壊す重大な事柄はいくつあるのか
1 お互い 失望してしまうこと
2 お互い 彼氏に対して手を出すこと
3 お互いが遠い距離に行ってしまうこと
4 金銭をめぐるトラブルに巻き込まれること
5 私の一時的な感情で彼女を殺してしまうこと
6 お互い どちらかが死ぬこと
このほかにはほぼないと思う
私は親友を作ってしまったことを後悔したということ
またそれを学習したということに 悲しみと喜びを覚えた
今 私が考える事は
彼女が病気で死なないでほしい ということと
私の この日記 を彼女に見られなければ良いな と考える