秒針と時間の間に
朝日が眩しくて 目が覚める
まだずっと寝てたいから乱暴にカーテンを閉じる
思うように体が動かなくて、思ってるよりも惨めな格好だったみたい
カーテンを閉めるには体を起こさないとできないってことに気づいたときは
もういいやって思ってベットの隅っこに移動した
二度寝しようとは思ったけど完全に体が起きてしまった
キャリーボトルの中にある冷たい水を手にとって口に含む
この世でこんなに幸せな事が他にあるかといわんばかりに嬉しくて
500mlを乱暴に口に流し込む
空になったペットボトルをゴミ箱に投げて口を拭う
朝日は眩しくてとても綺麗だけど
あまり好きじゃない
それは昨日が今日になったって事で
あんなに楽しんでいた今日は過去になってしまう
私には朝日なんてかっこいいもの似合わない
薄暗い明かりの無い部屋くらいのが私には似合うのだ
そんなことを考えながら シャワーを浴びる
さっきの金色の朝日はもう調子を出してきたみたいでベランダとベッド周りを白く照らしてた 飲み口のあいたペットボトルが光ってる
下着を履いて 買った覚えのないダブダブのTシャツを着る
髪を乾かそうって思いながらテレビの電源を入れる
なんて言ってるかわからないニュースキャスターは滑稽だった
まるで人形劇のよう
一通り朝仕度を終えた私は朝ご飯を食べてないことに気づく
おなかはそうでもないけど このあとのためにヨーグルトを飲み込む
コツコツと時間が迫っていることを教えてくれる壁掛け時計
一瞬一秒以上とまっていることがあるように見える秒針はとても不思議
私があなたを見ていないときあなたはほんとに動いているの
それで動かなくて時間がずれてるなんて無責任なことやめてよね
ばかみたいに時計に話しかけながら お気に入りにハーフジャケットを羽織る
玄関のドアを開けると外は地獄のようだった
太陽の直射日光でコンクリートはうねりと苦痛の表情で熱を出していた
それはもう 私のはいている靴すら溶かしてしまえそうな
私のお気に入りの靴がコンクリートにくっついてしまわないように早歩きで駅に向かう
世界は 私が思うよりゆっくりと動いていて 急ぎすぎて躓いたりしても 何も無いから
私は私でゆっくりと生きていこうと思う 私が死ぬときまで