夢の色

さっきまで見ていた夢は思い出せない


ただ私を苦しめる人は思い出せる


夢の中の私は


彼のことが好きで


好かれようと努力していたような気がする


夢の中の私は


常に彼のことを考えていたような気がする



白い天井を見つめる私は


幸せの感情が黒い感情に変わって行くのがわかる


なんで私はこんな夢を

なんで彼がでてくるの

忘れていたはずなのに

なんで思い出すの


手に入らないとわかったのなら

誰かに渡る前に壊したい


感情がコップから溢れてくる


真っ赤なドロドロとした液体が床に音を立てて落ちて行く


私のために死んで欲しい


彼奴が生きているからこんな思いをするのだろう


私は忘れないのだろうか


いつまでこんな思いをしなくてはならないのか


彼はきっと今も呼吸をしていて


朝4時半の朝に 素敵な夢を見て大好きな人と寝ているのだろう


貴方が生きているだけで苦しんでいる人がいるなんて全く思ってもいないだろう


床に落ちた感情は黒くシミになってゆく


行き先がなく 広がることもなく 乾いてゆくこともない


彼奴の血で洗い流さないと


夢の色は赤


いつか夢が叶うように


私は微睡みの中 貴方が死んでくれるのを待つ

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