対象a

あなたの亡骸に土をかける
それが禁じられていたとしても
純粋なまなざしの快楽には
隠しきれない誘惑があった

 

どうして罪があるのだろう
どうして罰があるのだろう

 

骨の尖はあまりにも白く
無限につづく闇をさそった
何もかもがあざやかにみえて
すぐに消えてしまう


あなたの思い出に鍵をかける
それが損なわれていたとしても
狂おしい愛情の奥底には
抑えきれない衝動があった

かけらをひろい集めながら
夢の終わりを待っていた

 

罪があるのは諦めているから
罰があるのは求めすぎるから


何もかもが置き去りにされて
まわる まわりつづける

朝がくれば笑えるだろうか
あの日のように笑えるだろうか
失くしたものは何ひとつないと
願う 願いつづける