曇りガラス

目がさめる

カーテン隙間から射す光で照らされた天井を見つめる

 

いつもなら目覚ましで起きるはず 焦りを感じる

遅刻かもしれない

サイドテーブルにある マヌケな顔した目覚ましを押して薄緑に光り 浮き出た文字を確認する

 

液晶には10:58

それと木曜日の文字

休みだった

 

最近気が張りすぎて長い時間寝てしまっていたよう

 

睡眠は大好きだ

愛する人とのセックスよりも

耳元で愛を囁かれてる時よりも

バレンタインデーよりも

大好きで

私にとっては重要なのだ

 

ぼんやりとした頭に戻りベッドに潜り直す

 

ああ

 

あったかい

このまま眠ってしまいたい

 

カーテンが閉じている薄暗いマンションは住み心地が良い

 

コンクリートに挟まれたすりガラスは太陽の光を優しくボカして部屋へ誘う

 

 

 頭だけを布団から出す

このツンとした寒さの空気も嫌いじゃない

 

頰に感じる冷たいという皮膚のささやかな痛み

 

私にとってこの部屋は私の王国なのだ

私はベッドに潜るグータラな女王なのだ

 

そんな事を考えながら目を閉じる

 

毛布を口元まで手繰り寄せる

休日には忙しいなんてない

 

つねにゆっくり動いている

多々時間はコチコチと進み続けている

 

意識が薄くなる時

 

なにか重要な事を考えついたり

ふと お客様の事を考えたり

 

でもすりガラスの向こうは見えない

何かがあるって感じるだけ

 

またきっと思い出せる

 

きっとね