コーヒーカップ

8日間ハワイにいってくる

にこやかな笑顔と艶のあるピンクのくちびるから覗く白い歯に悪意など一切感じなかった

 

私は驚きながら 羨ましいわ と彼女に続け 暖かいコーヒーを啜る

 

明らかに照明が少ないコーヒーショップのラウンジで一杯900円もする泥水を啜りながら彼女はマシンガンのように口を動かす

 

正直羨ましかった

 

彼とラブラブできてて羨ましいことこの上ない

彼女のようにもっと積極的に愛を確かめることができたらどんなに良いか

私はきっと余裕がない人なんだなとマグカップを擦りそんな風に思えた 

 

最初はわからなかった なぜ彼女は私の前にでてきたのか

服を買いに行こうと誘われて ショッピングモールへ

何かが可笑しいとは思っていたが自慢をするために会いにくるとは

 

自慢をするのは理解できるし それはとても気持ちがいいものだし

私の赤いスポーツカーが信号で止まれば 信号待ちの人は携帯を見るのをやめて私を見る

人って結構単純だと思うけど

 

彼女が話す自慢話は 

飛行機がどうとか

向こうでレンタカーを借りたとか

彼がなにを用意してくれてとか

 

私には関係のない話に うんうん と頷き頬を硬直させて出来るだけ笑顔で話を聞く 

きっと話す側は最後に嫉妬させたいのだ 私に

だから言ってあげよう 私も素直に羨ましい と 

さらに熨斗までつけてあげよう 楽しんできてね と

 

白いマグカップの中のコーヒーはすっきりと冷めてしまった

私には900円のコーヒーと自動販売機のコーヒーの違いはわからないけれど

熱いか冷たいか位はわかる わかってる

 

私がブログを続ける理由?きっともう吐き出すところがないから

言葉にしてしまうとダメになってしまうから

人ってそんなものでしょう?