休日と日のあたる場所

まったく 休日に仕事に来るのは憂鬱でしかない

 

風の音で目が覚める

 

私が思うに風が強すぎる日は外に出ないほうがいいと思う

危ないし 色々ね

 

でも仕方ないよね 向かわないといけないので支度を進める

 

昨日の遊び帰り そのまま置かれた くたくたのブーツを踏みつけて

仕事用のアーモンドシューズに足を通す

 

小指の骨に若干の痛みを感じながらまだ履けると思い込むのも疲れた

来週の休みはアウトレットまで車を飛ばして新しいのを買いに行こうかな

 

そんなことを考えてマリアに乗り込む

 

マリアには悪いけど会社はさほど遠くないから20分ほどのドライブだけ

毎日通るこの道も桜が咲いたり散ったり 新緑をつけては赤に染まって

 

まだまだこれから 何度も何度も繰り返す たぶんね

 

会社の地下車庫に付くと 嫌味な黒いA5

 

私の場所なのに ちょっと目を離すとすぐこれ

私が早く出勤しなかったのは悪いけど

 

私が毎日生活してるリズムに干渉されてる気がしてイライラする

 

その車さえなければ連続的な朝は迎えられたはずなのに

仕方がないので別の場所を探して止める

 

いつもより人と電気がすくないオフィスは静かで薄暗くて案外心地がよかった

自分のオフィステーブルに座れば ブラインドを通り抜ける曇り空の明るさで

さらに灰色の空間を濃くしている気がする

 

部署も担当も関係のない休日もなかなか悪くないかも そんなことを思いながら

出勤の流れの一部のメールのチェックに郵便物の開封と前日の電話メモをまとめる

でも今日は休日なので電話もしないしメールも返信しません!

だって私は休みだから!

なんて 。

 

こんなに静かな空間を まさか自分のエゴのために断ち切る人なんて居ないだろうと思ってたら 死神の足音がやってくる

 

音を鳴らして向かってくる革靴はそこらへんのお店で買ったであろう如く小汚く(実際は高いのかも知れないけれど)

40後半を迎えて 少し薄くなってきた頭と出てきたお腹が印象的な クソ野郎 上司様はカピパラに似ている(匂いは本当にカピパラ 動物園の匂い)

なぜ気に食わない上司は(失礼だけど)動物の顔をしているのか

きっとこれは永遠の疑問ね

 

私は振り向かない あからさまな足音で話しかけてほしいなんて雰囲気に飲まれたくない

 

でも他に人が居ないオフィスで話しかけなかったら上司に対して~ブラブラブラみたいなことになったら嫌ね

仕方がないのである程度の近くにきたら差しさわりのない言葉を贈ろう

 

彼から話しかけてくる内容といえば

今日はいい天気だね

最近かわいくなったね

仕事の調子はどう

髪切った?

 

大体これをローテーションしているはず

むかつく言葉だ 私に向けられる必要なんて無いのに

 

とにかく おはようございます の言葉で ほっぺの手前をクレーン車で引き上げながら

作った顔で挨拶をすます 

 

それを逆手に取るのかくだらない話をだらだらとしてくるクソカピパラをどうやったら対処できるかを自問自答して頷く素振りでやり過ごす

 

とっとと会社とおさらばしよう 

休日のオフィスはとても良い場所なのにその居る人間がちょっと厄介

今日はなにをしようかな 外には出れそうに無い天気だし

 

やっぱり映画を借りて ご飯を食べてそれで終わりかな

ゆったりした時間を過ごす事は日に当たってることなのだろうか

結局オフィスを出ても私は灰色の空間なのかもしれない

 

でも夏がすぐそこまで来てる

もうちょっとの我慢

 

待ち遠しい 私のための 日のあたる場所