夜の風

私は今 死を感じている
この体の細胞が死んでいくのがわかる

ジリジリと私を包み行く闇はきっと朝まで私を離しはしない
行き違う光の先にはいつもの現実と見間違うような幻想

このまま世界は消えていってしまうのだろう

耳に残るのは
人間の顔をした犬と
血で染まったドブネズミの
私を嘲笑うささやき声

ああ きっと私は
苦痛を感じながら
眠り行くように
死んでゆくのだ

もし目が覚めたら大好きな人に電話しよう
少しでも私を苦しめるものを解放しよう