雫 赤 ヒビ
馬鹿みたいに赤い太陽が照らす空を見て
世界はこんなにも大きくて
私はこんなにもちっぽけな存在なんだって
思った
私が何かを感じるたびに
心はまたひとつ大きなヒビを広げて
直そうと必死に耐える
子供の頃の通学路で田んぼ道を歩いたっけ
児童施設に住んでいる友人とよく泥だらけになって遊んだっけ
あの子はいまでも元気にしているだろうか
この町は小さくて、何も無い
そんな町に私居て
何も生むことは無く
何も存在する事無く
ただ空は赤く染まっていく
防波堤から覗く海はとても綺麗で
死にたくなる
気づけば視界は涙で歪んで 何も見えない
いつかの空も馬鹿みたいに明るい赤色だったっけ