余計なお世話
事務所の時計はコチコチと音を立てて時間刻んでいく
秒針が12の文字を通り越すほどため息の数も増えていく
何のために自分がいるのかも
何で私がここにいるのかも
わからない
わからないことだらけ
電話機の調子が悪いだの
二階の電気が切れただの
忙しいですよね なんて声をかけてくる人も
みんなみんないなくなって死んでしまえばいいのに
私そうやっていつもの日常を過ごしていくに決まっているのは
長年続けてきた私の中のソレなのだ
静かに過ごしていたいだけなのに
毎日 毎日 おんなじ机の上で何事もないように数字と文字を並べ替えて
数バイトの画像を加工していく
また12の文字を通り過ぎる秒針はあまりに遅く
死にすぎた時間を取り戻すにはもう遅い
私は時間が終わるのを心待ちにしながら
ただ単に心の中で平穏と非日常と何も無い空を待ち遠しく思ってる
だって私は死んでいるから